毘沙門天像
目を閉じて前に立つと
かすかに何かの音が聞こえた。
穏やかな声のような音だった。
弥勒堂(納骨堂)
どこか遠くの町へ行こうとする者達が
三々五々集っては旅の計画を立てる。
そんな姿を想像してみた。
本堂
どきどきした。
こんなに純粋にどきどきしたことなんて
今まで一度でもあっただろうか。
四国八十八ヶ所霊場
子供の頃にみた夏祭り。
キラキラと輝いていた真夏のひかり。
懐かしい景色が蘇る。
旭山八十八ヶ所
大きなどんぐりの木の下で、
何かを思い出すように地蔵が
じっと遠くを見つめていた。
立木大師堂
秋の気配を感じるたびに、
この日の空気を
思い出させてくれるだろうか。
護摩法要
世界中からすべての音が
消えてしまったような沈黙の中、
蝋燭の炎が小さく
ゆらゆらと揺れていた。
住職と檀家
何気ない毎日が、
くったくの無い笑顔で結ばれる。
素のまま、ありのままの言葉が
ゆっくりと交換されていた。
旭山八十八ヶ所
いつもの場所まであと少し。
今日もまた落ち葉を踏んで
ゆっくりと歩きはじめた。
護摩法要
何度も丁寧に繰り返される
所作は心にしみる。
美しくも儚くも感じた。
護摩法要
張りつめた緊張感が
静かに引いていき、
温かく満ち足りた
気持ちに包まれた。
旭山八十八ヶ所
寄せる思いと、離れる思い。
またひとつの季節が
終わりを告げた。
護摩法要
ぱちぱちと音を立てて炎がのぼる。
大きくなったり、小さくなったり。
しばらく眺めているうちに
やわらかな気持ちになった。
護摩法要
夏の葉がしげるように
立ち上る炎は、
何かを指し示しめいるような気がした。
旭山八十八ヶ所
急がなくても、あせらなくてもいい。
ゆっくりと自分の心と向き合い
素直な気持ちで歩くだけ。
四国八十八ヶ所霊場
仏様の足元にはご当地の砂を入れた袋が並ぶ。
見知らぬ土地に想いを馳せ、
深く深呼吸をした。
襖
美術館で絵画を楽しむように、
少し距離を保ちながら眺めてみた。
絵の意味はよくわからなかったが不思議と
元気な気持ちになれた。
梵鐘
大晦日の夜、
凛と張りつめた寒さの中、
除夜の鐘が行くあてもなく
町へ広がっていくんだ。
旭山八十八ヶ所
見慣れた小川に無数の苔。
この場所で生きることを
楽しんでいるようにも見える。